!全員必読!第一回山本将棋教室詰将棋作成大会の講評を田中先生に頂きました。

初心者クラスでコーチをしております田中です。

今回、詰将棋を作る大会を初めて行いました。作ってくれた方、ありがとうございました。

皆さんが作った詰将棋を見て、いくつかお伝えしたいと思います。

まず、多くの子がチャレンジしてくれて、とっても良かったです。講座でもお話ししましたが、詰将棋を作ってみるのも、将棋が上達する方法の一つです。作るのは初めてという子も多かったと思いますが、どうやって詰まそうかと考えることで、いつもの将棋でも良い手に気づけるようになります。

色々な詰将棋ができていましたが、作る時に注意したいことがいくつかあります。

一つ目は、「答えは一つにする」ということです。

図1は、ある子が作った3手詰です。答えは、「▲1二飛 △2三玉 ▲3四角」とありました。よくできていそうなのですが、初手▲1一飛とすると、△2三玉 ▲1四角 △2二玉に、▲3一飛成として、△同玉は▲3二金、△1二玉や△1三玉は▲2三金 で詰んでしまいます。このように、攻め方に最終手以外で詰ませる手が2つ以上あるものは、ダメです。▲1一飛は3手では詰まないと思われるかもしれませんが、2つある時点で何手であってもダメです。

ではどうするのが良かったかですが、3一の金がないと、今度は▲3一角から詰んでしまいます。3一の金はそのままで、改良したものが図2です。

3五の銀を1五の金に変えました。もともと3五の銀は不要な駒であったのと、1五の金で先ほどの▲3四角を防いでいます。今度は▲1一飛からは詰まなくなりました。▲1四飛も、△同金なら▲同角成から詰みますが、△2三玉で詰みません。よって、詰将棋としてできていそうです。このようにして、作っていきます。

なお、もし図2だったら、良い詰将棋だったと思います。飛車をあえて近づけて打たないと詰まないところが面白いです。

二つ目は、「持ち駒が余らないようにする」ということです。図はのせませんが、詰ました時に、持ち駒が余ってしまうのはダメです。駒が余るものは多かったです。ぜひ気を付けてください。

三つ目は、「面白い手がある」ことです。金や銀をただ打っていくだけでは、あまり面白くありません。最初はそれでも良いのですが、飛車や角を捨てる手や、変な位置から香車を打つ、等の普通ではない手があるのが良い詰将棋です。普通の詰将棋ができた人は、「面白い手」を入れることに挑戦してみてください。

今回入賞した作品は、どれも「面白い手がある」詰将棋です。また、ちゃんと答えが一つになっています。どの手が面白いのか、本当に他の手では詰まないのか、ぜひ考えてみてください。今回入賞できなかった子も、どうすればもっと良い詰将棋になったかを、考えてみてください。

27日日曜日は、全体で今回の作成大会の田中先生の講義を聞き、そのあと表彰式になります。入賞した子は来れるようでしたら来てくださいね。