初心者クラスでコーチをしています、田中です。
1月11日と12日に行った第11回詰将棋大会、いかがでしたか?
第6回から今回まで、問題は全て私の方で作っています。
全員の回答を見させていただきましたので、気をつけてほしい点をお伝えします。
<棋譜の書き方>
https://www.shogi.or.jp/faq/kihuhyouki.html
こちらに全て書いてあります。こちらと表記が異なるものはすべてバツです。
例えば、以下のような間違いが多くありました。
・持ち駒を使う場合に全て「打」をつける
・成れるときに、「成」も「不成」もついていない。
・「引」ではなく「下」をつける。「下」は使いません。
・「上」ではなく「直」をつける。「直」は、金、銀、と金、成香、成桂および成銀のうちの
いずれか1種の駒が横に2枚並んでいる時のみ使います。
・「右成」を「成右」と書く。「成」や「不成」は一番最後です。
なお、バツにはしませんが、「飛」を「飛車」、「桂」を「桂馬」と書く必要はありません。
あと、これもバツにはしませんが、「成」を「成る」とか「成り」と送り仮名をつける必要
はありません。
<1手詰>
前回からですが、1手詰は、土日どちらも前回までに出したときの正解率の高い順に1番か
ら並べています。すなわち、1番が今までで一番たくさんの人が正解したということです。
ですので、特に初心者クラスの子は、1番から順番に解けるかどうか確かめてみて下さい。
↑土曜日第16番 ですが、初心者クラスだけでな
く、上級者クラスでも間違いが多かったです。答
えは「3一角」ですね。「1一角」と答えた人が結
構いました。落ち着いて考えれば正解できる問題
と思いますが、時間を気にしてあせってしまうと
間違えやすいです。実際の将棋でも、あせらずに
落ち着いて考えることが大切です。
↑土曜日 第38番、分かりますか?分からな
かった人は、前のページをよく読みましょう。
答えは、「3四馬左」です。「直」は金や銀などだけ
に使いますので、馬に「直」は使いません。また、
「3四馬上」とすると、どちらの馬も3四へは上が
るので、どちらの馬を動かすのか分かりません。
というわけで、「左」を使うのが正解です。
↑次に日曜日です。
日曜日からの2問は、どちらも落ち着いて考えれ
ば間違えない問題と思います。
1 つ目は、第39番です。「2四銀」という回答が
多かったのですが、それは同桂と取られてしまい
ます。よって正解は「1四銀」です。何の変哲もな
い1手詰なのですが、毎回間違いが多いです。
↑2つ目は、第57番です。
「5三角成」という回答が多いです。毎回多いで
す。それは5五玉と歩を取られて詰みません。
よって正解は、「5三銀不成」です。「不成」をつ
け忘れてもバツです。詰んだ状態を、頭の中でき
ちんとイメージすることが大切です。
今回1手詰満点は、土曜日で2人、日曜日で3人の計5人でした。前回は土日合わせて4人
でしたので、1 人増えました。棋譜の書き方も含めて、少しずつマスターしてくれているな
と感じています。
<三手詰>
12問ありましたが、今まで通り土日どちらも、少しずつ難しくなるようにしています。今
回は、土曜日で二人満点を取った生徒がいました(日曜日は生徒ではいませんでした)。
三手詰からは、毎回新しい問題です。すなわち、初めて見る問題を解かなければなりません。
みなさんよくがんばって解いてくれたと思いますが、その中でも間違いが多かった問題を
土日それぞれ1問ずつ解説します。
↑土曜日からは、第70番です。初手は「4三銀」で、
「4四玉」なら「3五角成」、「2三玉」なら「4五角」
です。捨て駒のない少し変な問題で、「4五角」が見え
にくかったかもしれません。正解者は6人でした。
(なお「2三玉」のときに、「3五桂」から余詰があり
ましたが、3手では詰まないので、「4五角」だけが正
解とします。)
↑日曜日は、第71番を取り上げます。ごちゃごちゃし
てて難しかったかもしれません。
まず初手「3四銀」は、同桂と取られてしまいます。
初手「1二馬」は、「3三玉」に「3四銀」はまたも同
桂と取られてしまいます。初手「1二銀打」は、「1三
玉」で続きません。正解の初手は、「3三飛」でした。
「同龍」や「同銀」は、3三への逃げ道がふさがるの
で、「1二馬」で詰みです。ただしこれは持ち駒の銀が
余るので、玉方は別の応手を選びます。よって、 日曜日 第71番
「3三飛」「同玉」「3四銀」が正解です。3手目の
「3四銀」は、今度は同桂とすると馬で玉を取れますので、これで詰みとなります。
正解者は9人でした。
<最後に>
今回、ついに200点満点が出ました。
もしかしたら今回は簡単だったかもしれないと思い、全体の点数の分布を前回と比べてみ
ましたが、変わらなかったです。つまり、200点取った小此木君が秀でていたということ
でしょう。
そうなると、次回は7手詰を少し難しくするかもしれません(1手、3手、5手の難しさは
変えません)。そのためにも、もっと真剣に問題を作れるようまだまだがんばりたいと思い
ます。
また、初心者クラスではやはり1手詰をもっとできるようになるといいですね。次回は、み
んなの点数が少しずつ上がるよう、引き続きコーチをしていきたいと思います。