このたび、私が長年取り組んできました「視覚障害者のための読上げ機能付き将棋盤駒セット」の開発が、ついに完成いたしました。
幣教室に視覚障害のあるお子さんを受け入れる準備が整っていないことに落ち込み、悩んだ日からの出発でした。
遅々とした歩みではありましたが、あきらめずに続けてきて本当に良かったと感じています。
そして光栄なことに、早稲田大学の全面的なご協力をいただき、大学名義で特許出願まで行うことができました。
先日は2泊3日で金沢に赴き、「フューマンインターフェースシンポジウム2026」にて学会発表をしてまいりました。有識者の方々から貴重なご意見をいただき、社会実装に向けて最後まで取り組もうと決意を新たにしています。
取り組みの背景として、視覚障害者の将棋では口頭で指し手を伝え合う独自のルールがあり、言い間違いや聞き違いにより中断や終局となってしまう課題があります。そこで、発話や補助を必要とせず将棋を指せる「音声付き将棋盤駒セット」の開発を目指しました。駒に固有の抵抗を持たせ、マトリクス回路を敷いた盤に置くことで、回路が閉じ、抵抗値により駒の種類と位置を読み取る仕組みを構築しました。これにより発話なしで、双方がリアルタイムに平等に指し手を把握できるようになりました。
今後はこの仕組みを社会に実装し、視覚障害のある方々が将棋を楽しめる環境を整えていきたいと考えています。
現在、製作を担ってくださる企業とのつながりを求めております。
もしお力添えいただける方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけいただけますと幸いです。


