いつも本当に思うことなのですが、この教室は生徒さんもものすごく熱心な子たちばかりなのですが、
一緒に運営を手伝ってくださっているコーチやボランティアさんたちも負けないくらい熱心なのです。
最近日曜日にいつもボランティアしてくださっている尾崎さんは、将棋が終わるとへとへとになるほど真剣に取り組んでくださっていて、
将棋は指せない方なのですが、きっと将棋を始めたら強くなるだろうなーといつも思うほど、
先のことを読んで子供たちのために動いてくださっています。
その尾崎さんからの手記です。
以下掲載します。
こんにちは。日曜日ボランティアの尾崎です。
今年は6月以降、棋力別のクラスに分かれての教室開催となっているため、
ボランティアもクラス毎に分かれて皆の様子を見ています。
最近は、Sクラス、Bクラス、Eクラスを担当しました。
正直なところ、どのクラスの担当となっても、教室が終わる頃にはだいぶ疲れます。
それぞれのクラスに特徴はありますが、全てのクラスに共通して子どもたちの熱意や集中力に圧倒されるからです。
Eクラス。朝、皆の顔から、今日は勝てるかな、あまりたくさん負けたくないな、コーチもいるな、なんとか今日も頑張ろう、というような少し慎重な繊細な気持ちが伝わってきます。こちらも2時間強、皆と一緒に、集中力が切れそうなところも踏ん張って、コーチからもしっかり教えてもらえるように手合をつけます。どうやったら勝てるようになるんだろう、というスタートラインから、自分なりに手がかりをつかんで、将棋ってやっぱり面白い、と気づいていく様子が見られます。対局に臨むときの子どもたちの表情がぐんと変わっていきます。
Bクラス。5-6級の集団です。それぞれの学校ではきっと学年で一番将棋が強かったりするくらい将棋の強い、選りすぐりの子どもたちが15人弱も集まっています。この子たちの、勝ちたい、勝てるはず、将棋が好き、もっと強くなりたい、というエネルギーの強いことといったらありません。パッと見は落ち着いて静かですが、内面は熱い気持ちで教室にきていることがよくわかります。
Sクラス。学校のなかで一番将棋が強いというようなレベルの子どもたちです。このレベルになると、お互いに集中して何手も先のことを読みながら将棋をすすめるので1回の対局が20分を超えます。そのため対局の組み合わせやクラス全体の進行の時間管理に注意が必要です。
高い集中力です。先日は対局が始まって部屋がシーンとしているときに丹野先生がかなり大きな声で連絡をしていたのですが、後から確認するとなんとSクラスの子たちにはその呼びかけが全く伝わっていなくて、先生があきれて笑っていました。それくらい対局が始まると集中しているんですね。
そして周りを思いやる力も身についています。棋力差がある対局用の時計が必要だと察すると何人かで時計の設定を担当してくれます。また、前回はBクラスの名人戦の優勝決定戦が熱戦でお互いの玉が入玉したのですが、そうとわかるとSクラスのメンバー数人がさっと駆けつけて点数計算をして勝者判断をしてくれました。Bクラスの子たちは尊敬のまなざしでSクラスのお兄さんたちを見ています。
ボランティアでいくつかのクラスを担当していると、毎週、毎日、将棋の勉強を重ねて少しずつ強くなっていく様子、周りの仲間たちと切磋琢磨している様子、負けたときの悔しい気持ちをコントロールしている様子、強くなる方法を考えたりしている様子に立ち合えます。
初期のあどけない表情の子たちが数年かけながら将棋を通して真剣にたくさんの経験をして、将棋も心も段違いに強くなっていく姿を間近で見られるので時々感動してしまいます。
疲れるのは夏暑かったからかもしれませんね(笑)