田中先生からの第7回詰将棋大会の振り返りとコメント!!全員必読!!

田中先生からの第7回詰将棋大会の振り返りとコメント!!全員必読!!

読んで第8回に備えましょう。

 

 

こんにちは。

日曜日の初心者クラスでコーチをしています、田中です。

1月の詰将棋大会、どうでしたか?

今回も、問題は全て私が作っております。

そして、私の方で全員の解答をチェックしました。何点か、お伝えしておきたいと思います。

 

<まず>

棋譜の書き方について、前回よりも良くなりましたが、やっぱりまだちゃんとできていない人がいました。

棋譜の書き方は、将棋連盟のホームページにのっています。

https://www.shogi.or.jp/faq/kihuhyouki.html

「打」(うつ)、「不成」(ならず)、「上」(あがる)、「寄」(よる)、「引」(ひく)、「直」(すぐ)などが間違えやすいです。わかるまで、何回も読んでおきましょう。

 

<一手詰>

土日どちらも32問目までは、「打」や「不成」などは出てこない、やさしい問題にしたつもりです。50問目あたりからは、難しい問題が多かったと思います。

そして今回も、ホームページにのっている一歩上達詰将棋の全200問の中から出題しています。これをちゃんとやってきた人は、かなり良くできていたかと思います。ですが、62問全て正解できた人は、大人や先生も合わせて土曜日70人、日曜日79人中、土日とも一人ずつしかいませんでした。土曜日は米倉良太君だけ、日曜日は町田悠之君だけが一手詰全問正解でした。素晴らしいです。

間違いが多かった問題をいくつか解説します。

まず(1)の土曜日28番。正解は、「4二角成」です。「4四飛成」と書いている人がたくさんいました。4四飛成は、桂馬で取られてしまいます。2四にいる飛車を取られないように王手するのがポイントでした。そして、(2)の土曜日59番。正解は、「5三銀不成」です。「5三角成」と答えた人が多かったです。5三角成は、角が動いたことで、5五玉と歩を取られて逃げられてしまいます。このように、自分の駒を動かすことで玉が逃げられるようになってしまうのは、うっかりしやすいです。実戦でも気をつけてください。

日曜日では、(3)の56番と(4)の60番を解説します。(3)の正解は「4六飛」です。「3四飛寄成」と書いた人がいましたが、飛車は四段目にいるので成れません。このように、成れないところで成ってしまうミスは他の問題でも多くありました。実戦では反則負けになってしまうので、気をつけましょう。(4)の60番は、「4四馬」や「3五馬」という答えが多かったです。4四馬は2四玉と逃げられてしまいますし、3五馬は、6三馬と飛車を取られてしまいます。正解は「4二馬」でした。4二には桂馬がきいていますので、同玉とはできず、馬のききで2四には逃げられず、両王手なので6三馬と飛車をとることもできません。難しめの問題だったと思います。

 

<三手詰>

12問ずつありましたが、土日どちらも、63番から68番がやさしめ、69番から74番がむずかしめ、にしたつもりです。

(5)は、土曜日の71番です。3一飛成でも1三飛成でもどちらでも詰みそうに思えますが、1三飛成は1二桂(!)と逆王手で合駒されて、失敗します。よって正解は、「3一飛成、2一歩、2二金」です。2一の合駒は歩以外でも〇です。合駒でなく、1二玉として2二金や1三金などでも〇です。もう一つ、(6)の74番の問題を解説します。正解は、「2四角成、同金、1四角」です。三手目の1四角のところ、4七角と答えている人が何人かいましたが、4七角は3六歩と合駒され、同角は王手にならないですし、同香は角のききが止まって2五玉と逃げられてしまいます。この2五の逃げ道をふさぐための1四角でした。そして1四に角を動かすための、初手2四角成というわけでした。なお、最後1四角成は×です。角はなれません。また、初手2四角も×です。初手は成が必要です。この問題、正解者はなんと一人だけでした。

(7)は、日曜日の66番の問題です。シンプルなので、大体正解できると思っていたのですが・・・。正解は、「1二銀、同龍、3一飛」です。多かった間違いは、「3一飛、同龍、1二銀」と、「1一飛、同玉、1二銀」でした。初手3一飛は、同龍、1二銀で、龍が移動しているので、3二玉と逃げられてしまいます。初手1一飛は、同玉、1二銀に、同龍と取られてしまいます。そして(8)の68番も、間違いが多かったです。正解は、「3三金、同銀、1二馬」です。「4三飛成、同銀、3三金」と答えている人が多かったですが、初手4三飛成は同桂です。どちらも守りの駒の動きを見落としている人が多かったです。

土曜日では、佐伯先生と小此木朝陽君が12問中10問正解でトップでした。

日曜日は、石郷岡陽君が12問中なんと12問全部正解でトップでした。

 

<五手詰>

こちらも、土日どちらも75番から80番までがやさしめ、81番から86番がむずかしめです。また、土日とも85番が非常に難しい問題だったと思います。

(9)、土曜日の81番ですが、一見簡単に詰みそうに見えます。ですが、2一銀成は1二玉と逃げられ詰みません。また3一銀不成も、1二玉と逃げられ、やはり詰みません。正解は、「1二金(!)、同玉、2一銀不成、2二玉、3二角成」でした。1二玉の逃げ場所に、あえて金を打つのが見えにくかったと思います。1二金に同香は、2一銀成で詰みです。正解者は1人だけでした。

(10)は、日曜日の85番、今回の土日合わせての五手詰の中で、一番難しい問題だったと思います。正解は、「1七銀、同桂不成(!)、3七角、3九玉、4九金」です。初手1七銀に、同玉は2七金、同桂成は2九金で、三手詰じゃないか・・・と思われたでしょう。この2九金を防ぐために、同桂「不成」とするのがポイントで、ほとんどの人はこの手が見えなかったようです。こちらも正解者は一人だけでした。

土曜日の最高は、12問中6問正解の藤本瑞生君でした。

日曜日は、12問中11問正解の石郷岡陽君が三手詰につづきトップでした。

 

<七手詰>

ここまで到達できた人はほとんどいないので、結果だけお知らせします。

土曜日は、1問でも正解できた人はいませんでした。

日曜日は、吉田先生と石郷岡陽君が6問中4問正解でトップでした。

なお、土日どちらも87番と88番がやさしめ、89~92番が難しめでした。日曜日の91番と92番は、スーパー難しい問題だったと思います。どちらも正解者は0人でした。

(あまりに難しすぎたので、次回はここまで難しい問題はやめるかもしれません・・・)

 

<全体的に>

今回は、前回よりも全体的に少し点数が下がりました。一手詰は前回出なかった問題を出しましたし、三手詰と五手詰は少し難しくなったかもしれません。また、今回新たに出題した問題として、双玉(自分の玉もある)、中断玉(玉が四、五、六段目にいる)、入玉(玉が七、八、九段目にいる)などがあります。慣れていない人も多く、苦戦したと思います。さらに私自身、前回よりも詰将棋を作るのが上達したと思います(笑)

ですので、もし前回よりも点数が悪かったとしても、気にしないでください。大切なことは、間違えた問題を見直して、次同じ問題が出たら正解することです。

今回の結果を参考にして、次回どのような問題にするかはまた考えていきたいと思います。

みなさんも、次に向けて、少しずつ練習していってくださいね。特に棋譜の書き方は、しっかり見直しておきましょう!

 

最後に、採点を手伝っていただいた方、本当にありがとうございました。おかげさまで今回も無事終えることができました。また次回も手伝っていただけると嬉しいです。