日曜日のボランティアの堤さんからいただきました教室の様子です。

少し前のことになりますが、ボランティアの仕事をしている中で嬉しかったことがありましたので、ご報告させていただきます。

丹野教室では、級差のある対局を組む時のハンデとして「駒落ち戦」でやっていました。
例えば1級と3級の対局では2級差があるので、1級の方が角を落として(抜いて)戦います。
そうすることで3級の子も不利にならないよう戦えるということになるわけです。

ある日丹野先生から、駒落ち戦でなくて時間でハンデをつけるやり方もあるがどうだろう?とのお話がありました。
こちらは例えば1級は12分、3級は17分というように強い方の時間を少なくして差をつけ、駒落ち戦でなく平手でやるというものです。

これについてS〜Aクラス(有段者、上級者)の子達に意見を聞いてみることになり、対局の合間を縫ってアンケートを取りました。
私の予想では、下手の子達からすると上手の駒が少ない方が当然自分が有利になるから、駒落ち戦がいいと言う子が半数はいるのでは?と考えていました。
ところがこれが、全く予想外の結果だったのです。
時間差をつけて平手対局でやりたいとの意見が9割を占めました。
子供達からは「強い人と平手でやった方が勉強になる」「初めはなかなか勝てないかもしれないけど、その方が強くなれると思う!」との意見が大半でした。
また「大会も全部平手対局だから」との意見も多く、外部の大会のこともしっかり意識しているのが伝わってきました。

普段教室で目にする子供達は時々、その場の勝ち負けのことだけで頭がいっぱいになってしまっていたり、勝てなきゃダメなんだという考えにとらわれてしまっているように見える時があるのですが、今回これらの意見を聞いてとても感心してしまいました。
意見を聞いた子の中には、まだ見た目にも幼く可愛い小学校低学年の子もいます。
そんな子達も、自分より強い相手と対局し負けたとしても、失敗から学んで次に繋げていけばまた強くなれることをちゃんと理解しているのですね。
負けて苦しい中でも向上心を忘れない、そんな子供達を頼もしく思うと同時に、成長を近くで見守ることが出来るボランティアをしていて良かったなと思う今日この頃です。

さて、この結果を踏まえて、現在の教室は時間差をつけ平手対局で行っています。
またどのクラスもコーチとの指導対局に力を入れており、対局をじっくり振り返ってもらうようにしています。
質問などあれば、どんどん聞いてみるといいと思います。

ここからまた力を付けて伸びていく子が増えていきますように。